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彩牙の予感は残念ながら当たってしまった。
スタンバイしていた大男たちが素早くヌンババの手足の自由を奪った。
そして、隠し持っていた鎌でヌンババの体を切り落とした。
両腕、両足、腰、胸、最後に首という順番で。
「ウワッー!アアアアー!…スパン、ボトッ。」
ヌンババの最後の叫びだった。
彩牙は酷い罪悪感と恐怖で全身の震えを止められなかった。
「彩牙先輩!ぶっ、無事で本当に良かったです!心配しましたよ…グスン。」
会場に到着した有佳里が抱きついてきた。
(良かった。まだ、血祭りは見ていないみたいだ。有佳里ちゃんには、ちょっと刺激が強過ぎる。)
彩牙はそんな事を思いながら、優しく有佳里を包みこんだ。
(こんな思いばかりさせては先輩として、失格だ。)
彩牙は二回戦のチケットをギュッと握りしめ、次の会場フランスを目指した。
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