・始まりの春

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「西村流星です!好きなものは,スポーツ全般!流星って呼んでくだっさい!」 急に大きな声をきいて,はっと我にかえり,今までの自己紹介をきいていなかったことに気づく。 「流星テンション高すぎだろ。」 「お前はスポーツ馬鹿かっ!」 「馬鹿は俺にとってほめ言葉!」 「何それー。」 流星くんか。 皆の前で堂々と自分をだせてすごいなぁ。 私もあんな風になれたら…… 憧れを抱いた。 それはとても遠い存在だけど,少しでもちかづけるようになりたい。 単純にそう思った。 私の目標は人見知りな自分を変えること。 流星くんみたいな明るい星じゃなくていい。 ぼやっとした淡い光でいい。 そんな光でいいから,まずは空に輝こうとする努力から始めよう。 たった一人の,話したこともない人をみてそう思った。 自分でも不思議な感覚だった。 でも彼が私の目指す場所のような気がして,その後の自己紹介も上の空できいていた。
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