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『俺あの赤い女剣士に蹴飛ばされてお前の世界に落っこちたんだよね。さっさと行きやがれとか言って問答無用で蹴飛ばされてあんな体験したんだ。つまりあいつが元凶な訳だ。怖がらない理由がない』
『主の女運の悪さには女神のわらわでも同情するぞ……』
『……ほっといてくれ』
そんなこんなで俺は今王様から立ち上がる許可を貰って従者の説明を受けている。どうやら緊急事態だったとかで従者が二人しかいないらしい。別に俺からしたらどーでもいいけど、これって絶対王様が俺のこと嫌いだから二人しか用意しなかったんだよね。
……後で王様しばき倒す。
「勇者ユウリの従者を発表する!」
さっきの光の時より幾分声に覇気がない。というかなんかおざなり。はいはい、どーせ俺は光の影ですよ、お飾りですよ。お前ん中ではな。
「一人目は魔導師見習い『センリ・フルール』!」
魔導師見習い……?
そう王様に言われてやって来たのはなんかちっこい推定十三、四くらいの茶髪な女の子だった。黒いローブをフードまで被ってて顔がよく見えないが、体格からして女の子。ただ手に持った杖が自分の身長と同じくらいある。
ここまで露骨に光と差を付けられるとは思わなかった。
女の子は俺の前まで来ると勢いよく頭を下げて俺に挨拶してきた。
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