第一章

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「……なんか変な感じ。寄生虫かお前は」  そう言うと幼女が俺の目の前に現れた。 「神に向かって寄生虫とは失礼な奴じゃな。まあよい。これでわかったじゃろう?」 「そうだな。……それじゃあ最後に自己紹介しようや」 「む、そういえばしておらんかったのう。あれだけ濃い時間を過ごしながら互いの名前も知らぬとはまた奇妙な話」  なんか誤解されそうな言い回しだが、此処には俺と幼女しかいないのでスルーする。文面だけ見たらかなりやばいけど。幼女と濃い時間。捕まりそう。 「俺は宮城悠里。たった今から邪神になった元勇者候補だ。周りから見たらまだ勇者候補っぽいけど、俺が邪神になったから勇者なんてパスだ。そんなめんどくさい役目は光がやってくれるさ」 「わらわはこの世界を造り上げし創造神にして世界の権利を奪われた女神。名を『ディアナ』という。これからよろしくな、主よ」  この幼女がホントにこの世界の住人か本気で疑った。  ……しかし、世界の権利を奪われた、か……なんか面白そうなことになりそうだな。  俺とディアナ(俺の頭の中にいる)が戻ると、俺が泉に落ちてから殆ど時間が経っていなかったようで。  俺を蹴飛ばした女剣士は足を振り上げたまま俺を見てきた。  
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