プロローグ

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 そのまま光が助けに入って近くにいた俺も巻き込まれた訳だ。マジ勘弁してほしいんだが。俺は光のように超人でも菩薩でもねーんだから。 「なんでお前がへばってんだよ。さっさと帰るぞ」  俺は仰向けに寝そべっている光にそう声をかける。女の人はどっかに行った。光と何かしら話してたから警察かもしくは弁護士事務所にでも行ったんだろう。興味ないからどーでもいーや。  光はけだるげに立ち上がるとそんな俺に向かって一言。 「時々思うんだけど……悠里ってホントに人間?」 「失礼な。少なくとも光よりはまともな人間だ」  光を引っ張り上げて肩を貸しながらそう返す。その質問が出た時のいつものやり取りなので、光から軽い笑いが漏れる。そのまま俺達は家に向かって歩き出した。ちなみに光は俺ん家の隣に家がある。  そんな感じの日常を過ごしながら、俺は概ね平和に過ごしていたはず――なんだが。 「何と言うことでしょう」  ビフォーアフター的なお芝居っぽい口調でそう呟く。ちなみに発信源は俺じゃない、隣のイケメンだ。  目の前にはなんか白い、紅茶のカップを服に仕立てあげたような(インなんとかさん的な)服を着た水色の髪の毛と瞳を持つ大きな目の幼い顔立ちをした美少女が光を見て固まっていた。  その後ろには鈍く光銀色の甲冑? に身を包んだ騎士っぽい人が多数。そして足元には幾何学模様が書かれた円形の陣――所謂魔法陣みたいなものがあった。
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