9179人が本棚に入れています
本棚に追加
/263ページ
従者が集まっていた所から一人の女性が歩いて来る。一つに纏めた深緑の髪に切れ長の鋭い目。どっからどう見ても美人にしか見えないその女性は、光を反射する綺麗な鎧を纏って光の前までやって来た。
その人は王様に一礼すると光に向き直った。ちなみに光は王様から立ち上がる許可を貰っている、羨ましい。
「初めましてグレイス・ミール・フラシアスです。このフィディール王国で聖騎士をやらせて頂いております。これからよろしくお願いしますね、ヒカル様」
『ディアナ、なんで主人公のところには美人や美少女が集まるのかな?』
『主人公補正というやつじゃないかの?』
笑顔でグレイスと握手する光。そのキラースマイルにグレイスは一瞬でやられていた。ああいうのをニコぽって言うらしい。
……もう気にしない方向で行こう。その方が俺の精神への負担は少ないはずだ。うん、そうしよう。
『哀れじゃのう主よ……』
五月蝿い!
俺とディアナがそんな脳内プチ論争的なものを繰り広げている間中、周りはずっと騒がしかった。
「あのフラシアスの聖騎士を従者にするとは……」「この国の最高戦力じゃないか」「王もそれほど本気ということだろう」
そんな空気を切り裂くように王様はまたよく響く声を張り上げた。
最初のコメントを投稿しよう!