第一章

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「二人目の従者は大魔導師『フィール・ラキアス・ユースアル』!」  そう王様が宣言すると、従者が集まる所から赤い派手なドレスで着飾った妙齢の美女が光の所まで歩み出た。妙齢の美女は長い藍色の髪をかき上げて流すと、藍色の瞳を瞬かせて光に挨拶をした。 「初めまして、ヒカルさん。私はフィール・ラキアス・ユースアルよ。気軽にフィールって呼んでね、勇者サマ?」 「は、初めまして……」  フィールの妖艶さに流石の光もたじたじだった。そのまま失態でも見せればいいのに。 『主よ、わらわが悲しくなるから止めてくれ……』  五月蝿い! 「大魔導師だと?」「国王はどれだけの戦力を魔王討伐に投入するつもりだ?」「大魔導師なんて世界中の魔導師のトップクラスの人材じゃないか」  勇者のパーティの平均レベルは99なんですね、わかります。  パーティはゲームとかだとだいたい四人が相場ってところだからあと一人はあの赤い女剣士ってところか。……ハーレムじゃねーか。死ねよイケメン。 『主よ……あやつは幼なじみじゃろう?』  幼馴染なのとイケメンなのは関係ないね!  そんな俺とディアナを置いて王様は生き生きと次の従者の発表に乗り掛かった。 「勇者ヒカルの最後の従者は――」  
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