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「ふん……やっとまともに話せる機会が出来たな。私はイリア・スカーレットだ。これからよろしくな、『邪神』ユウリ」
イリアの言葉に思わず目を見開く。なんでこいつ俺が邪神だってこと知ってんだ? 俺だって知らなかったのに。いつから気付いてた? 泉ん時か? それとも最初から? 俺が来た時からか?
『ディアナ……お前あいつが何かわかるか?』
『……残念ながら神の類ではないということしかわからん。じゃが、若干魔の気配を感じる』
『そうか……』
まあ、気にしてても何も進まない。とりあえずイリアの正体は頭の隅に追いやって挨拶をしておこう。
「泉ん時はやってくれたな。まあいいや、これからパーティになっていろいろ活動すんだ。よろしくな」
そう言ってイリアと握手する。手と手を握った瞬間、急激に手から頭へと『何か』が流れ込んで来た。力の奔流とも知識の奔流とも言えるそれは頭の中を渦巻いて唐突に消えた。
「奴は王国軍のお荷物少尉ではないか」「個人の能力はそこそこだが、集団戦闘が出来ないらしいな」「やはり王は王国のゴミを掃除したいらしい」
そりゃこいつは集団戦闘なんて出来ないだろうさ。個人の能力がそこそこなのも抑え付けるのに精一杯だからだろ。
『ディアナ……お前もわかったよな?』
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