プロローグ

4/9
前へ
/263ページ
次へ
 なんか、目の前の美少女は所謂巫女さんっぽい雰囲気を醸し出しているし、足元の魔法陣はなんかアレで、んでもって後ろの騎士っぽい奴らと中世っぽい雰囲気からするに、どうやら俺達は――召喚、されたらしい。  オタクの俺にはなんとなくわかる。こんな雰囲気を醸し出すのは異世界に召喚されたに他ならないんだろう。けど、なんで二人? こういうのって普通相場は一人じゃね。  そういえばなんか帰り道で黒い穴っぽい何かに引きずられる時に、穴は俺じゃなくて積極的に光を飲み込もうとしてた気がする。だって明らかに俺より強く引っ張られてたし。  ……ん? そう考えると俺って巻き込まれたんじゃね? だって俺光に服捕まれて穴に吸い込まれた挙句に此処に連れて来られた訳だし。 「あの……君は? それで、此処は?」  隣の光が目の前の美少女に聞いた。すると固まっていた美少女は瞬く間に顔を赤く染めると、慌てて光に喋り始めた。  直感的に思った。あ、こいつ光に惚れたな。 「こ、此処はフィディール王国の王宮内にある『召喚の間』と呼ばれる場所です。あ、貴方はこの世界の勇者として呼ばれたんです」  美少女の視界に入ってないことに痛恨の一撃! 俺はイケメン爆発しろとか思いながら美少女に質問した。 「なあ、名前は? 俺達のっていうか勇者の役目は?」
/263ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9179人が本棚に入れています
本棚に追加