第二章

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 大粒の涙を目から流し始めたセンリを見て焦る。  ちょ! パネェパネェパネェ! 女の子泣かせるとかマジパネェんですけど! 助けてディアナさん! 『知らん。それよりも注目すべきことがあるのではないか?』  マジパネェっすディアナさん、起きてたんですね! 助けてください……って、え? 注目すべきこと……? 「なあ……なんでイリアに魔物の気配があるって思うんだ?」 「ひぐっ……うぇ……? だって……私……こ、これでも……魔導師の……端くれですから……ぐす……魔の気配を探るくらいは……出来るんですよ……?」  異世界生活一日目の俺にはちょっと何言ってるかよくわかんないっすね。 『どういうことですかディアナさん』 『ふむ……普通は人間に魔の気配など感じ取ることは出来ないはずじゃ。しかしあの魔王のように何かを隠している様子も無し。残念ながら主の中におる状態じゃその程度の考察しかできん』  うん……? でもその理論じゃセンリが人間かどうか怪しくなってくるじゃねーか。どうなんそれ。まだ冒険も始まってねーのに俺のパーティ人外ばっかなのかよ。勘弁してくれよ。勇者パーティじゃねーじゃん。魔王パーティじゃん。 『なあ、だったらディアナが外に出てセンリを観察すれば何かわかるのか? そもそもこの世界でお前が出てこれるかどうかが問題だけど』 『主の力を使えば顕現出来るぞ。流石にわらわ一人ではできんが……主の力があれば問題ないじゃろ』  
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