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「マジか」
「マジじゃ」
「話を逸らさないで下さい!」
叫ぶようなセンリの声に一瞬ビックリする。今まで自信なさ気に小さな声で喋っていたセンリの突然の声に、俺とディアナはまじまじとセンリの顔を見つめた。
「話を、逸らさないで下さい! 一体私の何を調べたんですか!? 私って何かおかしいところがあったんですか!?」
なんか微妙にヒステリックになってるセンリ。どんな場面でもいまいちシリアスに成り切れない俺の心をシリアスに染め上げる。
センリの焦ったような不安そうな顔を見ると、こいつ過去になんかあったんじゃね? と思えてくる。自分の存在に疑問を持つような出来事があったんじゃないかと。
まあ、俺は光じゃないからその辺のことはわかんないけど。
「なあ……なんだ? その、まあ落ち着けよ。話を逸らそうとしたのは悪かった。ただ……なあ?」
そう言ってディアナに目配せをする。しかし非情にもディアナは俺と目が合うと速攻で逸らしやがった。
ぴ~、とか下手な口笛を吹いて一生懸命逃げようとしている。ふざけんなよ!?
「すいません……でも、私……こんなこと言ったら変かもしれませんが、自分のこと全然知らないんですよ」
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