プロローグ

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 俺がそう言うと美少女さんは初めて俺に気が付いたのか、ビクッと小動物みたいに肩を震わせて物凄くびっくりしていた。もうあれだ……イケメン爆発しろ。 「私はフィディール王国第二王女の『ミリア・ミスリル・フォン・フィディール』です。それで、勇者の使命はこの世界に現れた魔王を倒すことです」  質問したのは俺なのに、何故か光の方を見ながら言う王女様。……ふっ、いいぜ、わかった。俺のことなんか眼中にないってか。イケメン、俺と顔変われちくしょー。  典型的なロープレの最終目標なんか示されたってちっとも面白くないというか王道過ぎて何も言えない。ドラクエはあんまり好きじゃないんだ。もっと別の役目くれよ。なんなら村人Aとかでもいいからさ。 「この世界は今魔王と魔王が放った魔物によって蹂躙され、危機に陥っています。人々の生活は脅かされ、魔物が外を闊歩する……貴方は、そんな世界を救うために神に選ばれて呼ばれた勇者なんですよ」  おいおい、王女様。もっと頭を使って物事を考えようぜ? そんな光が大好きそうな話を光に振るなよ。うんとしか言わなくなるだろーが。  そして案の定光は―― 「そうなのか……わかった、俺に何が出来るかわからないけど、呼ばれたからには頑張るよ。任せてミリア」  そう王女様に微笑みながら言った。キラースマイルかよ。もううんざりだよ。俺のことも考えろよ。 「悠里もそれでいいよな?」  全身全霊で異議があるっていうか、もう異議しかないんだけど。
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