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「全力ですいませんでした!」
すかさず日本人の最大の武器であるDO☆GE☆ZAを繰り出す。センリの笑顔は魔王よりも怖かったと思う。
「……それで、話して下さるんですね?」
「ん、まあ……いいだろう。話した後お前がどう思うかはお前次第だから俺に絡んでくるなよ」
「はい、わかりました」
俺の言葉が真面目な言葉だと受け取ったのか、神妙な顔になって頷いた。釘も刺したし……まあ、いいよな? 話しても。
「センリ、お前はディアナいわく――半人半魔、らしい。半分は人間だが、半分は魔族だそうだ」
「……は?」
俺の言葉を聞いて一言だけ口から声が漏れて呆然とするセンリ。
その反応は当然かもしれない。人間と同じ容姿で人間の国で人間と同じように育ったのだ。両親もいない。自分のことを教えてくれる人もいなかったのだ。
自分が人間だと思って育ってきたのだ。センリからしたら自分の存在を根底からひっくり返されたようなものかもしれない。
「本当なら存在しない存在……それが半人半魔だって。俺はこの世界のことよく知らないけど、神様が言ってんだ。そうなんだろうさ」
「そう……なんですか……」
そう呟いて、センリはそのまま押し黙った。何かを考えているように見えるし、何も考えていないようにも見える。その辺のことは本人に聞かないとわからないけど、まあ聞く気もないからどっちでもいいか。
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