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「何故こうなったし」
俺は目の前の状況を見てそう呟く。
なんかローマのコロッセオみたいな所に向かい合うテライケメンの王子と俺。女性の視線も声援も全部王子に向かってる。リア充男子共も王子を応援してる。俺の味方は哀れな毒男達だけだ。
クソ……! リア充なんて死んじゃえばいいんだ! この世から消えちゃえばいいんだ!
『哀れよのう主よ……』
『五月蝿い!』
とりあえず落ち着こうか俺。リア充に何を言ったってダメなんだ。あいつらは俺達毒男が辿り着けない境地にいるんだ。そんな奴らが俺の言うことを聞くとは思えない。
俺は今日の朝からのことを振り返ってみることにした――。
なんだかんだ言ってあれからお咎めを受けることもなく、というか俺はクソオヤジに全く相手にされず自由に城内で過ごしていた。
その間イリアと何度か話をしたりしたけど、何かを起こすといった気配もなく、かといって何かを言ってくる気配も無いからほっといていた。
そんな感じで数日が経ったある日、なんか王子様が外交先から戻ってきたとかなんとかで小さいパーティが開かれるらしいというのが耳に入ってきた。
その情報を持って来たのは数日の間に仲良くなった俺付きの執事さんで、一応儀礼的にクソオヤジが俺にも声をかけたのだとか。
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