プロローグ

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 王妃? は騎士達を下がらせるとクソ王女を押し退けて俺の前に来た。途中で光に礼をして。 「申し訳ございません、娘が粗相をして御気分を害されたでしょうが、あの子も召喚の儀で気が立っていたのでしょう。普段はあのようなことは言わないのです。何卒、お許し下さい」  そう俺に言ってきた。  どうやらお母様の方は(俺にとっての)常識があるらしい。まあ王族? が簡単に頭を下げていいのか現代日本で暮らしてた一般人の俺にはよくわからんが、俺の前まで来て頭を下げながらそう言った。  一国のトップがそんな簡単に頭を下げていいものなのか甚だ疑問が残るが、まあそんなことは俺が気にする問題じゃないからいっか。  それにぶっちゃけあんなことは光といれば結構あることなので別に怒っちゃいないわけだが、ま、謝られて悪い気はしないし、別にいっか。 「いーよ別に。怒ってねーし。特になんもなかったから問題無し。まあアンタの娘は再教育する必要性があるかもしれんけど」  俺のこと無視するし。 「ありがとうございます勇者様。ところで、お二方のお名前を伺っても?」  終始笑顔で対応する王妃? あーもうめんどくさいから王妃でいいや。王妃は、なんか掴み所がない人だ。こういう人間が一番苦手なんだよね、俺。 「俺は朝原光(あさはら ひかる)です」  そう言って王妃にお辞儀をする光。 「俺は宮城悠里(みやぎ ゆうり)だ。ちなみに勇者なんてもんをやるとは一言も言ってない」  俺がそう言うと王妃は俺達二人と握手をした。
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