虎若子とコラボ小話

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「うん。」 クスクスと笑う美音に、幸村は唖然とする。 「…嫉妬、してくれたんだね。」 「うっ…。」 「嬉しい…。」 無意識に手を伸ばすと頬に触れる。 「美音っ!?」 「でも…心配は、いらないよ?だって…私…。」 そっと顔を近づけると、頬に唇で触れた。 「!!」 幸村は顔を真っ赤にして硬直した。 「…いつも、一番…幸村の事を考えてるから。」 美音も顔を真っ赤にして俯く。 「…っ…美音っ…!」 「きゃっ…!」 突如として、幸村は美音を布団に押し倒した。 「幸村!?」 「美音…某っ…我慢が…!」 「っ…。」 美音が病み上がりだと言うこと忘れ、覆い被さる。 「ゆ…幸村…駄目…。」 「……。」 もはや美音の声など届いていないようだ。 咄嗟に助けを呼ぶ。 「か…鴉さんっ!!」 「美音様!!」 「な、なにどうしたの!?」 直ぐに忍二人が部屋に現れる。 「幸村様…。」 「なっ…鴉、これは、だな…。」 「問答無用!」 美音から幸村を引き離すと、庭に投げた。 「全く…旦那は…。」 (良い雰囲気だったのに…。) 「ぐうっ…!」 「幸村様…!暫く美音様の部屋には入らないでください!」 「そ…そんな…!」 こうしてまた日々は廻っていく。 武田は今日も平和です。
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