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玲子は極度の冷え性だった。しかし最近になってそれが顕著になる。
夏は玲子が会社にいればクーラー要らず。玲子がグラスを持てば、中の液体までキリキリに冷えてしまう。
こんな体質は異常だと思い、病院に行くがただの「冷え性」だと診断される。
次第に玲子の冷え性体質はエスカレートし、周囲の人間が避け始める。
シャワーを浴びても、その水が氷の粒になってパラパラと落ちるレベルにまで達していた。
悲しみにふける玲子の前に、一人の男が現れる。
「僕は、根っからの高温体質なんですよ」
そういう新入社員の熱原は、玲子を元気付ける。
彼もまた特異体質で、体温が異常に熱いという事だった。
かくして、彼女と彼の存在により、社内の温度は均一に安定したのだ。
そして似た様な体質をもつ彼に、また情熱的でもある彼のアプローチに玲子は心を動かされる。
しかし、いいのか。彼は素晴らしい人間で、私はこんなモテない女・・・玲子は悩んだ。
次第に熱原を避けてしまうようになっていた。そして、低温体質はさらに極まる。
それに対し、熱原は玲子に対する想いでますますヒートアップする。
紆余曲折を経て、ある夜、偶然にも繁華街で出会う二人。
思わず、二人は涙を流して抱き合おうとする。
そのとき、繁華街に大きな爆発音が響いた。
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