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今、ヴァイスの道端でいるチェシャのように、昼日中に当たり前のように出歩いている者がほとんどだ。
故に、外見的特徴すら隠せばそこらを歩いている人間達と何ら変わらない、見分けがつかない存在となる。
一族にはそれぞれ理念というものがあり、“蒼”の一族が抱くそれは、“人間は護る者”。
つまり“蒼”の一族は代々、通常ならば命の糧にする人間を、一度主として迎え入れて仕えれば、その生命を以て相手を護り、忠誠を誓いきる、騎士と酷似したものなのだ。
故に、彼ら“蒼”の一族は人間からはおろか、同族からすら“蒼の騎士”と称される事も多く、何か、もしくは誰かを護る戦いに長けた、穏やかな性質の者がいる点に特化した“昏きもの”達なのだ。
その性質も相まって、彼らが血液を欲するぎりぎりの線は、他の一族よりも高くなっていて、ちょっとやそっとの飢えでは暴走しにくい利点もある。
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