平和で平凡な世界からの排除

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ムト 「ママぁ」 ムトは五日間泣き続けた 五日という時間はムトのように小さな子供にしてみれば 十分死ねる時間であった… 今まで食べるのに不自由しなかったムトだが悲しみがそこに縛り続ける… しかし 泣いて泣いて泣き続けるが ふとムトは気付く お腹が減って動けなくなった事に 二日目にはすでに動く事すらできなかった… にもかかわらず いまだに苦しいといってもまだ生きている しかし 気付いても今のムトには関係の無い事であった ただただ親であるママが死んだ事にのみ 泣き続けた… そして 数日がすぎた頃 一人の老人がやってきた 老人 「…間に合わなかったのか…」 この時まだムトは生きていた 老人 「……生存者は… いるわけ無いかの…」 そういいながらも探す ムトはまだ泣いていた… しかしもう泣き声というより うなり声と言ったほうが近いほど弱り虫の息であった 老人は近付くが 声が小さすぎて聞こえず 通りすぎていく… しかし老人は虫の息のムトに気付く うなり声に気付いたのだ
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