現在*まだ。

4/9
前へ
/25ページ
次へ
でもそれはあまりに脆くて あまりに空しい妄想だった。 私が中学1年の夏頃から 兄はたびたび夜中に私の部屋に 忍び込んできた。 クーラーの効いたその部屋で 兄は私を女として扱った。 私はひたすら寝たふりをする これは現実じゃない。夢だ。 そう思った。 ほら、だって瞼(まぶた)の裏には 幸せな家庭が… ああ、そうか それが夢なのか。 だんだん受け入れていった 寝たままの妹に欲情する兄 触られることに違和感さえなくなってきていた。 そんなことが兄の受験が終わるまで続いた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加