8139人が本棚に入れています
本棚に追加
神坂が夜の学校に忍び込んだ目的は、どうやら別の何からしく。
あたしは、まだ笑いの治まらないアイツをちょっぴり怨めしく思いながら、その背中を追って教室を出た。
「ねぇっ、何処まで行くのっ?」
「着いたら分かる。」
神坂は、教える気なんか更々ない様子で、軽々と階段を昇って行く。
運動不足な自分が、この上なく情けない。
ぜいぜいと息を切らして後を追うあたしの事を、時々気にかけながら。
アイツは一番上の、最後の階段を昇りきった。
「…ここ…?」
神坂は柔らかく微笑んで。
楽しそうに、目の前にそびえる扉をゆっくりと押し開けた。
.
最初のコメントを投稿しよう!