20XX.9.26

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「…うっわあぁぁぁ」 地上よりもひんやりと冷たい風に視界を遮られながらも。 あたしも一歩。その扉の向こう側へ足を踏み入れた。 「あたしっ。屋上なんて、初めて来たかもっ」 いつの間にか鍵が壊れたままの、校舎の屋上。 目の前に現れた景色は、一面の星空で。 普段見上げる夜空よりも、手が届きそうなくらいに、うんと近く感じた。 「すごーいぃっ」 「…だろっ?」 楽しそうに星空を見上げる神坂の瞳は、まるで秘密基地でも見つけた子供みたいにキラキラして。 また一つ。新しい神坂を発見した気分で、胸がいっぱいになった。
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