20XX.9.26

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「わっ、すごっ」 フェンスの向こうは無限の星空と、夜の帳を纏う街並み。 絶景と言うには物足りない。それでも色とりどりに散らばる、あたし達の住む街の夜景。 視界の中央を陣取るかのようにそびえ立つ、真っ赤な光を放つテレビ塔を眺めながら。 思わず笑みをこぼした。 「ほのか…?何?」 神坂が不思議そうに、隣に並ぶあたしの顔を覗き込む。 「ふふっ。この間見たドラマみたいだなって思って。」 「……ふぅん。」 「ラストシーンでね。ヒロインがイケメンと一緒にビルの屋上に出るんだケド。星空と東京タワーの夜景が凄いキレーで。」 「……はいはい。」 神坂はちょっぴり苦笑いで、相槌をうった。
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