20XX.9.26

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「…何だと思う?」 神坂の質問にも、頭が上手くついていかない。 ……まさか。星形のネックレスが入ってる。…わけナイよね? 神坂はクスクスと楽しそうに笑みをこぼして。 握りしめた手とは反対の腕で、あたしの身体をぐっと引き寄せた。 上手く言葉が出ない。 期待している訳じゃないけれど。 不意に真剣な表情を見せた神坂の姿に、瞳がくぎ付けになる。 「神坂、あのっ。」 まるで。 ドラマの中のヒロインにでもなったみたい。 目眩すら覚えるこの胸のドキドキ。 神坂がたった一人、あたしにだけ。 与えてくれる、甘い痛み。 瞬く星の光だけが。 静かにあたし達を見守っている。
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