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「……ほら。」
あたしの身体をギュッと引き寄せながら、握った右手をゆっくりと開いていく。
神坂に触れられた部分が熱く痺れて、身体の自由が奪われていくみたい。
少しずつ近付く長い睫毛がアイツの顔に影を落とすのを、不思議な気持ちで見ていた。
「…あ。」
神坂の手に握られていたモノを視界に捕らえた瞬間、あたしの口唇に触れた吐息。
「……んっ、…っ」
それは、涼しい風を蹴散らす程に熱い感触をあたしに与えてくれた……。
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