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「……神坂の…バカ。」
まだ熱る身体をもて余しながら。
まだまだ素直じゃない口唇が悪態を吐く。
アイツはあたしの身体を抱き締めたまま、クスクスと楽しそうに笑みをこぼした。
「あっそ。」
穏やかな風があたしの背中を押してくれる。
邪魔するモノなんて何もなくて。
静かに瞬く星さえも「がんばれ!」なんて。応援してくれてるみたいに感じた。
「……あの。神坂?」
「ん?」
不意に見上げたアイツの顔。
綺麗で、繊細で、艶然とした姿。
愛おしくて。でも恥ずかしくて。
それでも瞳を逸らす事なく、神坂の瞳をしっかりと捕らえた。
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