20XX.9.26

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……それは静かにあたしの手の平に落ちてきた。 「……神坂。」 夜空の星屑よりもキラキラと輝いて。 煌めく夜景よりもあたしの胸を熱くさせる。 小さくて甘い。 星形のキャンディ…… 「……ふっ、ふふっ」 ドラマみたいな甘い夜。 嬉しくて。嬉しくて。勝手に笑みが零れた。 「何笑ってんの。」 「秘密。」 何でだか笑いが止まらないあたしを眺めて、神坂はあたしの頭をグシグシと撫でてくれる。 優しく見つめる瞳がそこにある全ての光を受け止めて。 何より綺麗に見えた。 「毎日。俺がそうやって笑わせるから。」 ……神坂。ありがとう。 .
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