20XX.9.26

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“きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ” 言葉にならない悲鳴をあげて、慌ててその場にしゃがみ込んだ。 結局こんなオチ? 物音を聞き付けたのか、また見回りの手が追ってきた。 あたし達を追い詰める眩しいライトをかわしながら、四つん這いになって冷たい床を進む。 あたし。ホント何してんの? 「居るなら返事しろっ!」 警備の見回りの声が暗闇に響き渡る。 いや。無理無理無理無理。 息を潜めたまま、夢中で非常階段の陰へと這って行った。 「……ほのか。」 不意にあたしの後ろから、涼しい声色の神坂が囁くのが聞こえた。
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