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その頃、アキラは大学へ向かっていた
アキラの通う大学は地元でも有名な名門私立大学だった
電車とバス合わせて片道1時間の距離をアキラは毎日嫌った
特に電車の中が最悪だった
マナーの悪い客・加齢臭のオヤジ・臭い香水の女子高生
アキラは毎日の電車の中で気分が悪くなり、何度も引き返したいと心の中で思っていた
「いつか絶対に電車通いしなくてもいぃ様になってやる…」
アキラはその言葉をバネに“逃げ”と戦っていた
ミュージックプレイヤーのクラシックを聞きながら何とか駅に着くと、今度はもぉ1つの壁が待っていた
大学発のバスは毎日満員で座席に座れないのだ
ダッシュで走ったが、案の定バスは満員
アキラは憂鬱になりながら立った
やっと大学へ着いたと思ったら今度は講義のために席を確保しなければならない
アキラは「もぉ倒れる…」と思いつつ教室へと向かった
教室は生徒で満員だったが友人が席を取ってくれていたのでアキラは救われた気がした
机に倒れ込みため息を吐いた
「大丈夫かアキラ?」
友人の声もこの時のアキラには聞こえていなかった
アキラは心の底に封印していた何かが噴火するのに気付いた
「俺は何しにここへ居るんだ?俺の目標って…」
アキラはついに確信した
決めた!!
「大学を辞めよう」
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