第1章

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「…なに?」 一瞬、なんだか時が止まったかと思った。 真未の目は何かを訴えながらも、全てを拒絶した色をしていた。 『聞かないで』 真未の複雑そうな表情はそう言い放っていた。 「その…い、家どっち?駅までとか、送るよ。」 俺はとっさに逃げた。 今思えば…この選択こそが、全ての後悔の始まりだったのかも知れない。 だけど、俺のそんな発言に真未は安心したのか 「ありがとう。でもまだそこまで暗くないから大丈夫。」 そう言って向けてくれた笑顔は、今まさに沈もうとする夕日が射して、異常に眩しくて…俺は釘付けになった。 『好きだ』 その言葉が妙にしっくりきていた。 ーガラッ 教室のドアが開けられた。
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