第1章

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そんないつものつまんない会話をしていると 電話が鳴った。 「あんた、出て~」 姉貴は俺がいると、電話には年3回も出ない。 俺はいつも通り電話を取る。 ぴっ 「はい、矢島です」 『ー……』 …無言。 「もしもし?」 再度聞いた。 『……よ、ヨウちゃん?』 びっくりした。 でも俺をそう呼ぶのはひとり。 「…真未?」 『…ん、ふっう…っヨウちゃん…っ』 真未はまた泣いていた。 なんでおれの家の番号を知ってるとか、そんなことどうでもよくて…ただ嫌な予感がした。 「今から家行く。どこ?」 俺は真未の涙声をなんとか聞き取って、住所をメモした。 意外と近所だな、数10分ほどか? 「わかった。5分待ってて」 俺は電話を切り、すぐ走り出した。 「青少年~早く帰って来なさいよ~」 姉貴のおどけた声が遠くで聞こえた。
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