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そんないつものつまんない会話をしていると
電話が鳴った。
「あんた、出て~」
姉貴は俺がいると、電話には年3回も出ない。
俺はいつも通り電話を取る。
ぴっ
「はい、矢島です」
『ー……』
…無言。
「もしもし?」
再度聞いた。
『……よ、ヨウちゃん?』
びっくりした。
でも俺をそう呼ぶのはひとり。
「…真未?」
『…ん、ふっう…っヨウちゃん…っ』
真未はまた泣いていた。
なんでおれの家の番号を知ってるとか、そんなことどうでもよくて…ただ嫌な予感がした。
「今から家行く。どこ?」
俺は真未の涙声をなんとか聞き取って、住所をメモした。
意外と近所だな、数10分ほどか?
「わかった。5分待ってて」
俺は電話を切り、すぐ走り出した。
「青少年~早く帰って来なさいよ~」
姉貴のおどけた声が遠くで聞こえた。
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