第1章

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俺はどうしていいかわからず、こういうときのためにも、姉貴から少女マンガか何かを借りておけば良かったと、少なからず後悔した。 そんなしょうもないことを考えていたら、武井が急に顔をあげた。 「ごっごめ、んね、ゴメン…っ」 と声を絞り出して俺に謝ってきた。 その時俺は武井の下の名前を思い出していた。 学年でトップを争う美人によく挙げられる、『武井真未』と言えば有名であった。 涙でぐしゃぐしゃになっても、なおも可愛いと思わせる顔立ちであったため、やっと気づけた。 「いいけど、なんかあった?」 そんなことを考えながら俺は武井に質問してみた。
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