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女の子は何やら眉間にシワを寄せちゃってる。なにこの状況。しかしナイスこの状況。
「麗しきお嬢さん、私にお声をかけていただき感謝いたします。よろしければお名前を……」
幼さが残る女の子だが、そのバストの膨らみは本物と見た……!
言うなれば、バレンタインデーという日に崖っぷちに立っていた俺に救いの手を差し伸べてくれた美しき救世主。
俺は膝を突き、女の子の手を優しく取る。咄嗟に振り払われた。別に悲しくないけど?
「気やすく触るな……私はネム。少しワケありでな。手作り兼実験途中のチョコを作ったんだが、目当ての者が食べてくれない……そんな時にお前を見た。副作用とか気になるが、よければ食べるといい」
「……なんか怪しいな……」
こら純一。
この際事情なんてどうでもいいんだよ。俺は喜んで女の子が持つ綺麗に包装されたチョコを譲ってもらうとしよう。
「麗しきお嬢さん……事情はどうであれ、あなたは私に救いの手を差し伸べてくれた。よろこんでその私への愛の結晶をいただきましょう」
「勘違いしてるな……まぁいい。そのチョコは食べるだけで……んー、説明が少し面倒だな。とにかく食べてみるといい」
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