現実逃避症候群

始まりと終わり

「…な、なんだ今の…うっ！？」

妙な感覚にさいなまれ、 一瞬の空白を感じたかと思うと

≪グワァン…ゴォォォ――≫

次の瞬間、
大地が体の奥底まで響くような轟音をたて、大きく世界を揺さぶった

「──ッ！！？」

頭を押さえ、誰もが地面へとうずくまる

≪ミシミシミシ…

　　　ゴゴゴゴ――≫

木の幹がひび割れ倒れる音、
大地がきしむ音。

もはや立つことすらできない

「な、なんなんだよこれｯ！！？」

あまりに突然な出来事に
思わず声が出る

が、それさえも轟音にかき消された

鳴り響く轟音
この星全体を伝う震動

…意識が朦朧とする

(ヤバイ…意識が…。頭が揺さぶられてるからか…？)

現状の理解などをする余裕などもない。

…でも

ただ、ひとつだけわかること…

──世界が、崩れていく。──