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≪―――。≫
目を開けると
そこには土埃が揺らめく無機質な大地が広がっていた。
(こ、ここは…)
意識が朦朧とする。
体はすり傷だらけで所どころ痛みがはしる
周りを見ても誰もいない。
さっきまでいた仲間も…
(……仲間?俺の…?)
頭がまわらない。
『恐怖』
今の状況が把握できていないことの焦燥感と、喪失感。
そして…
所どころ霞んだ時間。
「記憶喪失」のような酷いものではない。
ただ…
回想しようとすればするほど
自分の記憶の霞みに気付き、
やり場のない憤りと不安が募ってゆく。
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