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「いつになったら終息するんだか…ねぇリベル?」
同僚に名前を呼ばれ、ふと我に返る。
任務に忠実であればいい。ソルジャーはそんな存在だ。
組織の中でたった一体の駒にすぎない自分が、いろいろと考えを巡らせる必要などない。
…ただ、原因はわかっている。
数年前に開発された「アイトメイト」。
精神力の集合といったらいいだろうか。エネルギーの塊であるアイトメイトは、あらゆる力に変換して利用することができる万能な存在。
上層部の研究で生み出されたこのアイトメイトについて、存在や使用方などのデータ以外のことは、もちろん上層部や専門部隊しか知らない。
そもそも一般の人々が理解しようにもできないものなのだろう。
しかし、あれが開発されてから
この世界のバランスが崩れだしたのは明らかだ。
強いて言うなら
その魔力、つまり精神力を操作したこと自体が、全体の調和を乱す原因なのかもしれない。
―――俺が幼い頃から始まっていた
この「アイトメイト計画」は
…俺たちの世界の運命を
変えていったんだ――――。
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