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「すみません。話を続けます。我々は今回の事件を、四年前の事件と結びつけ捜査していたのは、被害状況の類似というのも一つなんですが、あの事件で、逮捕に踏み込んだ時、生き残っていた人物が、他でもない野崎啓介なんです。」
「野崎啓介も、あの事件の直接的な被害者だったということですか!?」
「そういうことです。彼は保護された時は、重度の精神崩壊を起こしていました。無理もありませんよね…。目の前で、最愛の妻と、心待ちにしていた我が子が、無惨にも殺されたのですから…。」
「それで?野崎はどうなったんですか?
「その後、急いで精神病院に運び込まれました。しかし、月日は流れるばかりで、回復の兆しすら無かったのです。彼はつい一年ほど前まで、精神病院の一室に隔離されていたのです。」
「そんな状態で退院したんですか?」
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