4月2日

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「そんな仮面はずしたら?素直になれば?」 「…いいの?」 「クスッ、いいよ。」 「夜道は怖いの、送ってくれる?」 涙で濡れた睫が震えている。その涙をそっと拭ってあげると、オレを見上げてくる。 「その目は反則」 「え゛っ?」 瞼をパチパチとする。そんな仕草も、可愛く感じる。 彼女の手をとり 「ホテルはどこ?」 「ロイヤルホテルまでお願いします」 顔を赤らめて、俯く。 「何号室?」 「1105号室。でもホテルの入口までで大丈夫だから。 ジフンさんだって、早く帰らないと明日遅刻しちゃう」 「わかった。じゃあそうさせてもらう」 夜道を手を繋いで歩いた。 男の人からと言うより、今までリツコ以外の人に、きちんと私自身を見てもらえた事がなかった。 両親でさえ、 「お姉ちゃんはしっかりしてるから、大丈夫ね」「あなたは強い子だから安心だわ」 ずっとそう言われて、甘える事さえできなかった。 それは、亮に対しても同じで、彼だけが悪いんじゃなくて、素直になれなかった私自身のせいでもある。
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