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「いい、花音。ぜーんぶ忘れて、心も体も癒やされて、キレイになって帰っておいで。また新しい恋しなきゃ、ね。」
心友のリツコに背中を押されて、『傷心旅行』と言う名の『現実逃避』の旅に出た。
行く先なんて、どこだって良かった。
私の事を知らない場所なら。
『しっかり者』『可愛げのない』『強い女』みんなが私に持つイメージ。
だから、私もそう振る舞ってきた。
素の私は………。
「花音は、しっかりしてるから、オレがいなくても大丈夫だよな。でも、アイツはオレが守ってやらなくちゃダメなんだ。」
結婚式直前に言われた言葉。
亮だけは、違うと信じてたのに……、泣いて縋った。
「止めろよ。そんなのお前らしくないよ。いつもみたいにしてろよ」
気持ち悪いって続きそうだった。
「そうだね。ワタシらしくない…か。」
男を見る目がなかっただけ。
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