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「あっーー、良く泣いた。よし!!」
気合いを入れて立ち上がり、大きく息を吸い込むと
「亮のバカヤローーー!!あほんだらーー!!私を捨てたこと後悔しろーーー!!」
左手を腰に当て、右手を前に突き出し
「みてろよ~!いい女になってやる!!」
ふん、
「あ~スッキリした」
クックッククク…アッハハハ…
へっ?誰もいないと思ってたのに、笑い声がした方に振り向くと、男の人がお腹を抱えて笑ってる。
「悪い、見てたら可笑しくて、ハハハハ………」
「ハハハ…」
そりゃあ、笑うよね。いい年した女が、海に向かってほえてんだから。私だって笑っちゃうよ。
「じゃあ」
別に言う必要もないんだけど、なんかつい。
くるっと後ろを向き、歩き出した。
格好よく、いい女ぶってと思ったのに、砂浜に足をとられて、ウワッ~なんて、ちっとも可愛くない奇声をあげ倒れてしまった。
「大丈夫か~?」
声の主は、走り寄って私に手を差し出してくれた。
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