4月2日

8/14
前へ
/161ページ
次へ
「正真正銘、捨てられたの。 お前はしっかりしてるから、オレがいなくても大丈夫だって。 結婚式のひと月前に突然言うの。酷いでしょ!」 「結婚する予定で?」 「そう」 思い出したら、涙が出てきた。 「ごめん。ちょっとだけ待って。悲しいとかじゃないから。ちょっとだけ思い出したら、自分が可哀想になっただけだから」 「そんな奴やめて正確だ!そんな事言うなんて、花音の何を見てたんだ!お前はちっともしっかり者じゃない。こんなに弱くて、脆いのに」 弱くて、脆いなんて初めて言われたかも。 「そんなふうに言われたの初めて…。すごく嬉しい。ありがとう」 泣き笑いの変な顔だろうけど、ジフンさんに感謝。 「何だか、もう男なんてって思ってたけど、そんなふうに言ってもらえると、また恋したくなっちゃった。ジフンさんに会えた事に感謝」 彼女をとても可愛いと思った。素直に気持ちを言えて、何気なく言った言葉を心から喜んでくれる。 「そうだよ。恋しろよ。花音は、いい女だぞ」
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

84人が本棚に入れています
本棚に追加