小さい狐と大きい水たまり

水溜まり?

『ごしゅじんさまー，ごしゅじんさまー』

真夏のある日，小さい狐は屋敷の中でご主人様を探していました。

ご主人様は，お客様を通す部屋にも眠る部屋にもお薬を作る部屋にもいません。

『あぅー。ご主人様がかくれんぼしたー』

小さい狐は項垂れます。

それからもう一度，
『ご主人様ぁ?どこー?』
と呼びました。