翼ある蛇

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とうとう一匹になってしまった サマエルは取り残された広場から動く事を禁じられていたので大人しく岩の上に座り 青空の牢獄を見つめ涙を流した わかってもらえる夢だとは思っていなかったがまさか罪に問われるなどとは思わなかった 地を這う蛇が見るには大それた夢 罪か? モーデンを殺した百舌鳥は鳥だから、蛇では勝てないから罪に問えない それはわかる じゃあ僕が悪い?殺したのは百舌鳥なのにか?僕は飛びたいだけで殺してなんて無い 僕の夢が……モーデンを殺した? もう何日をこの岩の上で過ごしたろうか……未だにモーデンを殺した百舌鳥は現れず 干からびたモーデンが枝に引っ掛かっているだけだ 「モーデン……君が生きてさえいたら……僕は今ころ飛行訓練に励めたのに……正直、君が憎い……君が死ぬから僕はこんな目に合ってる」 そうだ……モーデンが鈍いからいけなかったんだ…… 腹一杯鼠を喰って喰って喰って重たい体になれば百舌鳥にも美味そうに見えただろう 自分のせいじゃないかモーデン!!ふとっちょモーデン!!食う事ばかりに捕らわれた地を這う蛇!!蛇達!! 身の丈を知れだと!!なぜ身の丈より高い夢を見ない!!体長はあっても天井など空には無い!! 「モーデン……総ての蛇達よ………君達に関わっている隙は無い……飛ぶべき努力に励む……1秒でも、1ミリでもだ……不可能を可能にする為に総てを棄てる……僕が蛇だという事も……さよなら哀れな蛇よ」
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