青空裁判

2/7
1021人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
眠れぬ夜が明け、朝露を飲む為に巣穴から蛇達が這い出す 最も早起きな蛇が惨劇の後を発見し急いで近所中に警告した 「百舌鳥だ!!百舌鳥のはやにえがあるぞ!!モーデンだ!!モーデンがやられた!!誰かモーデンの家族を!!」 枝に突き刺さり切り裂かれたモーデンの無残な姿を朝日が照らし サマエルが着いた頃にはモーデンの母が背中に絶望を乗せ放心していた 「なんて酷い……よりによって百舌鳥とは……残虐極まりない鳥め!!血も涙も無いのか!!」 「誰か……あの子を……モーデンを降ろしてやってくれませんか……あまりにも憐れで……どうか……どうか……」 力無く呟くモーデンの母の姿にサマエルは目を背ける事しか出来ないでいると 「ならん……降ろしてはならぬぞ……我々全員に危険が及ぶ」 「そんな!!あんまりです長老!!あの子の姿を見て下さい!!我が子のあんな姿に耐えられる親など居りましょうか!!後生ですからどうか!!」 「私とて子がいる、分からぬ筈が無かろう……しかし相手は百舌鳥なのだ……腹が減ればはやにえを……モーデンを突つきにまた現れる……モーデンがいなければ別な者が犠牲になるだろう………ここも危険だ!!みな立ち去れ!!引っ越しの準備じゃ!!」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!