邂逅

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「でも校内って言っても、広すぎるわけではないよね?」 「校内に限定すればな。だが外には旧校舎らしいものがある。ここに誰もいなかったなら、俺達以外は旧校舎か林の中にいるってことになるだろ? 校舎内だけならまだしも、林までとなると捜すのは容易じゃないぞ」 「やっぱり、そう簡単な話じゃないよね。あっ、そういえば。ここって電気は通って――るわけないよねぇ……」  試してはいないが、望みは薄いだろう。一応、校長室に戻って備え付けられている電灯のスイッチを押してみるが、当然の如く反応しない。 「まあ、そうだろうな」  二人でうなだれつつ、廊下に戻り、とりあえず行先を相談する。 「やっぱり、地道に捜すしかないね。どうにかこっちの居場所を教えられたりできれば良かったんだけど……」 「全員懐中電灯は持ってきていたわけだし、それが唯一の目印になるだろう。校内が薄暗いから、近くにいればお互いのライトに気付くはずだ。ただ、こちらに呼び込まれた時に、懐中電灯をなくしていなければいいのだが」 「……幸ちゃん大丈夫かな。千尋ちゃんも、一利君も」 「あいつらなら、きっと大丈夫だ。一利はこの中だと一番足が速いから、恐怖で竦んでないなら捕まる心配はないだろう。幸太郎は体格がいいから、余程の相手でない限りは簡単には捕まらん。抵抗できるだけの力がある奴だ。千尋は……機転が利く奴だ。あいつの性格なら、状況を分析してどう動くべきか判断できるはずだ」
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