虹色ウェディング

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私の旦那様になる修二君は、同じ中学と高校に通っていた同級生。 サッカー部のエースで学校一の人気者だった修二君に中学時代から恋していた私は、修二君を追い掛けて同じ高校に入学した。 でも、修二君に話し掛ける事も告白する事も出来ないまま、高校を卒業して大手企業に就職した私は、修二君への想いを心の中に封印して、仕事場と家を往復するだけの退屈な日々を送っていた。 そんな時、会社経営をしている父から、お見合いの話を持ち掛けられた。 父から必死に頼まれて断り切れなくて、仕方なくお見合いする事を決めた。 お見合い当日、ホテルのレストランで待っていた私の目の前に、お見合い相手として現れたのが、今日私の旦那様になる修二君だった。 「中学、高校と同級生だった久遠修二です。俺の事分かるかな?」 そう言って優しく微笑んだ修二君の表情は一生忘れない。 「は、はい。サッカー部だった久遠君ですよね?」 私は修二君と初めて交わす言葉に動揺しながらも、平静を装い笑顔を返した。 そこから結婚までの道程は、物凄く早かった。 誰が見てもカッコイイと思う容姿の修二君が、地味で目立たない私と結婚なんて有り得ないから、絶対に断られるだろうと思っていたのに、修二君から結婚前提のお付き合いを申し込まれた時は、心臓が壊れそうになるぐらい驚いた。
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