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あの後、飛んで帰り父と母に先程の出来事を話した。
だが、母から聞かされた話の方が衝撃度は遥かに大きかった。
話は数時間前に遡る。
それは、魔族が居ることを両親に報告した後。
母はこう言った。
「そう…魔族が…」
母はそう言うと、父と顔を合わせ頷き合うと水華の方へ向き真剣な面持ちで話始めた。
「水華よく聞いて。そして出来ることなら受け止めて…」
いつに無い両親の真剣さに、水華も姿勢を正す。
「…水華は前におじいちゃんやおばあちゃんが居ないのは何でって聞いたわね?居ないわけじゃ無いの。ただ話せなかった…」
「どうして?」
「お父さんはね天界の人…つまり神様なの。当然お父さんのお父さん・お母さん、つまり貴女にとってはおじいちゃんおばあちゃんに当たる人も神様なの。」
「え…神様…?」
「そう。それでお母さんは魔界…魔族なんだよ。つまりお母さんの両親も魔族なんだけど、お母さんの一族は魔王と呼ばれる一族なんだよ。」
「魔王…お母さんが?」
「ええ…本当はねお母さんとお父さん、一緒になっちゃいけないんだけどね…」
「でも愛し合った。そしてお前が生まれたんだよ。」
そう言いながら父は水華の頭を撫でる。
「小さい頃は貴女も天界に住んでたんだけど、やっぱり禁を犯した私達を皆許さなくてね。この人間界に追放になったのよ。けれども水華は力が無くなるどころか逆に強くなってしまったの。」
「そのままではやがて天界・魔界に背く奴等に命を狙われかねない。ならばこの人間界で悪さをする奴等と戦わせて、奴等に目を付けられても大丈夫な様にする為にと此処に住み着いたんだ。」
「もしかして今まで戦って来た奴らは皆お父さん達の敵だったの?」
「そうなの。反発してなかったら私を見た途端逃げる筈よ。闇に生きる者ならね。」
フフフと笑いながら母は言った。
「お母さん、大魔王様だもんねぇ」
「あら、そういう貴方だって最高神じゃない。」
「つまり…私は人間じゃなくて魔族と神様とのハーフなの?」
そう水華は呟いた。
「「うんvそうvv」」
ガクッと疲れが出た瞬間だったという。
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