本当の自分

3/4
前へ
/149ページ
次へ
嵐のような昨日が過ぎ、翌朝水華は目を覚ました。 父は水華の力が大きすぎるので、封印を掛けていたのだが最近急激に封印がきれかけているそうだ。つまり、水華の力がそれだけ大きいということだった。 今日は封印を完全にとり、例の魔族と戦うための修行に取り掛かる。 だがここで二つ問題が出てくる。第1に、伶薙は今更離れると言ったところで納得する筈も無いし、かといって自分の修行に付き合わせる訳にもいかない。 第2に、学校だ。入学式まであと6日後だ。 修行するなら1週間みっちりやらなければならない。 入学式では新入生代表だ。 といっても自分が休めばその役は伶薙に行くが。 (取り敢えずお母さんにでも相談しよう…) 「てか伶薙は昨日の聞いてたけど、どうするんだろ…」 攻撃されたら嫌だな…なんて事を考えながら着替えていく。 流石に嫌われたら正直凹んでしまうだろう。 だが、彼を危険に晒すぐらいならそれでも構わない、とも思う。 昨日は話を聞いた後、一言も話さ無いままわかれたのだ。 「…ご飯食べよう…」 そう言って水華は自室を出る。 もうこの生活も無くなるんだなと嫌でも実感させるのが、窓から見えるどす黒い障気だ。 その方角には例の洋館がある。 たった一夜にして中にいる魔物は自分の領域を広げていた。 実際勝てるのかよと内心思うが、もしもの時の為に両親が一緒に行くことになっているので、倒せなかった、なんて事にはならないだろう。 それでも不安は残る。 果たして修行はうまくいのでしょうか?
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!

94人が本棚に入れています
本棚に追加