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嵐のような昨日が過ぎ、翌朝水華は目を覚ました。
父は水華の力が大きすぎるので、封印を掛けていたのだが最近急激に封印がきれかけているそうだ。つまり、水華の力がそれだけ大きいということだった。
今日は封印を完全にとり、例の魔族と戦うための修行に取り掛かる。
だがここで二つ問題が出てくる。第1に、伶薙は今更離れると言ったところで納得する筈も無いし、かといって自分の修行に付き合わせる訳にもいかない。
第2に、学校だ。入学式まであと6日後だ。
修行するなら1週間みっちりやらなければならない。
入学式では新入生代表だ。
といっても自分が休めばその役は伶薙に行くが。
(取り敢えずお母さんにでも相談しよう…)
「てか伶薙は昨日の聞いてたけど、どうするんだろ…」
攻撃されたら嫌だな…なんて事を考えながら着替えていく。
流石に嫌われたら正直凹んでしまうだろう。
だが、彼を危険に晒すぐらいならそれでも構わない、とも思う。
昨日は話を聞いた後、一言も話さ無いままわかれたのだ。
「…ご飯食べよう…」
そう言って水華は自室を出る。
もうこの生活も無くなるんだなと嫌でも実感させるのが、窓から見えるどす黒い障気だ。
その方角には例の洋館がある。
たった一夜にして中にいる魔物は自分の領域を広げていた。
実際勝てるのかよと内心思うが、もしもの時の為に両親が一緒に行くことになっているので、倒せなかった、なんて事にはならないだろう。
それでも不安は残る。
果たして修行はうまくいのでしょうか?
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