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「でもコレってどういう意味なんだろう?」
伶薙が不思議に思っていると、
「あら?これは目に関する力ね。伶薙くん、コレを身体の中に入れるようイメージしてみて?」
伶薙は言われた通りにカードを握り締めイメージしてみた。
するとカードは光ると身体の中に吸い込まれていった。
「??」
何が何だか解らないまま、視線を露華に向けようとして驚愕する。
もう一つの本の山にもカードが有るのが見えたからだ。
「どうやら今のは『透視』のカードだった見たいね!」
驚く伶薙を見て露華は言う。
「それじゃあ…!」
そういうなり、伶薙は本の山を崩して行く。
暫くして、カードが数枚出てきた。
「耳…多分遠耳か絶対音感…。手は何かしら?」
「手から何か出てる…衝撃波かなぁ…コッチは?木?」
「あらそれは植物ね。樹や草花を操ったり、薬なんかを作ったり出来るスキルよ!」
何だかんだと言いつつ四枚。
素晴らしい事だ。
これならすぐに帰れるかと思い、立ち上がり周りを見渡してみる。
すると一件だけ、本では無く、普通の家が建っている。
「あれは?」
あんな家には住んだ覚えがない。不思議に思って中に入ってみる。
と二階建てかと思ったのは間違いだったようだ。
家の中には、たった一つしか部屋が無い。
その真ん中には箱と十二個の石が散らばっている。
「もしかして、これ石が鍵なのかなぁ…」
だとしたら覚えがある。母が良く占いの際に誕生石を使っていた。
記憶を手繰り寄せながら石を填めて行く。
カチャリと音がして、蓋が勝手に開く。
その中には三枚カードが入っていたが他のカードとは少し違っていた。文字が書いて有るのだ。そこには、
『伶薙へ
コレを見ているということはあなたは力を目覚めさせる時期が来たのね。多分あなたはこれから色んな危険の中に入って行くでしょう。だからお母さんはあなたの中に三つの力を封印します。あなたが本気で護りたいと思った人に遣ってあげてね。
~お母さんより~』
そしてその力とは、治癒、時間、そして予知の三つの力だった。
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