目醒め

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「―…?今の夢…だよね。にしてはえらくリアルな…」 少女の名は霧澤 水華。ごく一般の家庭に生まれた、ごく普通の女の子。来週からは義務教育のため中学校へと行かなくてはならない普通の女の子。 ただ、少し…いやだいぶ人とはかけ離れた力を持ってはいるが。 少女だけではなく、その父、霧澤 万樹、そして母露華も同じく特殊な力を持っている。 言うなれば遺伝なのだが、少女は父からも母からも、祖父母の話など聞いた事が無い。 聞いてもはぐらかされるばかりなのだ。 (まぁ大分力の使い方も分かってきた。コントロールは万全とはいいにくいけど、普段の生活だけならなんとかなる…) 普段の生活ならなんともないが、いかんせん、この様な力を持っているのだ。「その他大勢」と一緒な訳はない。 他の人間ならば架空の存在で片付けられる、妖怪、悪魔、霊といったものがその辺に転がっている空き缶の様にクッキリハッキリ見えてしまうのだ。
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